3人娘のぱぱブログ

3人娘の子育て&嫁様との日常

セミ捕り名人は何処へ

これは、長女がまだ、真夏になると、セミを捕ってとせがんでいた。

3年か4年前の話しです。

 

子供の頃から、数十年ぶりに、虫取り網を買い、自宅マンションの木々が生い茂るエリアへ

 

長女を連れ、休日の朝  向かいました。

 

セミの鳴き声が、強烈でセミのシャワーとは、うまい事言ったもんだなぁ〜  何て考えていました。  (でも浴び続けるは、チト辛い!)

 

鳴き声はするのですが、肝心のセミさんの姿が見えない?

 

どこに  おんねん  と探していると、ようやく1匹  見つかりました。

 

しか〜し!!

 

高い!!     高すぎる〜     

 

とにかく、いっぱいまで、網をのばそうと、スライド式で、長さ調節ができる  虫捕り網の棒の部分を獲物を逃すまいと、セミさんを見ながら、ひっぱりました。

 

すると、  スポン ⁉️  と音がしたかと思うと、同時に、私の左脇腹に激痛が走りました。

 

あ  痛っ‼️

 

思わず叫んでいました。

もう少し下なら、大惨事になるとこでした。

 

後ろで見ていた、長女は、きっと パパは何をしてるんだろうと、思った事でしょう。

 

右手に網 を持ち  左手に青い棒?を握りしめ、

もんどりうつ、父の後ろ姿に⁉️

 

100均 か300均  いやいや、コーナンだったか、どこだったか忘れたけど、とにかく 売り場で一番安いやつを買ったくせに私は、釣竿のようにストッパーがついていると、勝手に思い込み、思い切り引っ張った為の惨事です。

 

痛みが治まった頃には、さっきまでいたはずの、セミさんは何処へ消えていました。

 

学習した私は、虫取り網の長さをギリギリ抜け落ちない所で固定し次の獲物を探すのでした。

 

セミさんの鳴き声は聞こえるのに、一向にセミを発見できません。

 

長女のぶら下げている、緑色で、収納口というのだろか?開け閉め出来る所が、オレンジ色のプラスチック板になっている、カゴは空のままです。(昔から定番のヤツ)

 

時折すれ違う男の子のカゴの中には何匹も入っています。

 

何が違うのかなぁ〜   子供の頃は、私も沢山取っていたはずなのなぁ〜  と昔の記憶をたどっていると、

 

前から、体格の良い小学6生ぐらいの男の子が小学校低学年の男の子達に囲まれて、歩いてくるでは有りませか!!

 

今どき ガキ大将⁉️

 

と思いきや、低学年の子供達は、彼に必死に自分の虫取り網を渡そうとしているのでした。

 

おもむろに、子供達の差し出す、虫取り網を1本取った彼は、1本の木の前に仁王立ちしました。

 

そして、"'おった"と 言ったと思うと、木の枝の少し横へ網をかざしました。

 

次の瞬間!!

 

セミの方から、彼の網目掛けて、入っていきました!!

 

遠目で見ていた私には、止まっているセミの姿も見えなかったので、手品のように見えました

 

すると彼は、1匹入っている網を回収する事もなく、同じ木の別の場所へかざしました。

 

するとまた、セミの方から飛んで網に入っていきました。

 

繰り返すこと数回、あっと言う間に5.6匹を網の中に入れたのでした。

 

網を渡した子供は大喜び。  スゲー連呼です。

 

さらに、彼は、虫取り網の中にいる、セミ達を回収せず、網の口を水平にしたのでした。

 

逃すんか?と思ったら、絶妙な網さばきで、クルクル網を回したり、時には蓋になるように、網を反転させ出口をふさぎなが、別の木へと移動するのでした。

 

大名行列みたいに、彼の後ろをついて回る子供達。

 

セミ入りの網を持ち主の子供に渡すと、今日は終わりとばかりに、マンション内のエントランスに消えていったのでした。

 

子供達は、バラバラに散り、私と長女が取り残される形となりました。

 

セミ捕り小僧 いや 名人だ彼は、私は見よう見真似で、セミに網をかざすのですが、私がやると何故か、網に入らず飛んで逃げていくのでした〜  情け無い・・・

 

諦めかけて、エントランスの方へ、私達も向かいました。すると、セミ捕り名人は同級生ぐらいの女の子二人 とイスに座って、何やら楽しそうに話していました。

 

収穫0の私は、談笑中の彼に思い切って話しかけました。

 

自分、セミ取るの、うまいなぁ〜  

 

オッチャン下手やから、1匹も取れへんねん  と

 

同じマンションの住人とはいえ、いきなり知らない、おっさんに話しかけられてスルーされるかと思ったのですが、私の後ろで、モジモジしていた、長女と空の虫カゴが目に入ったのでしょう。

 

女の子の一人が、あんた取ったり〜や

 

と名人に促してくれたのです。

 

すると彼は、スクッと立ち上がり、私から網を受け取ったのでした。

 

長女と後を追う形で、外へ出ました。

 

名人は、先程同様  一本の木の前に仁王立ちになり  、"'おった"と 言ったと思うと、木の枝の少し横へ網をかざしました。

 

セミ取りにも、ルーティーンは存在するんやなぁ〜  などと考えていると、

 

私に見えていなかったセミさんが、マイ虫取り網に自分から飛んで入ってきました。

 

おー   初GET‼️  (人にやってもらったけど)

 

長女もうれしいそうでした。

 

セミ捕り名人は、先ほどのリプレイのように、移動し、絶妙な網さばきで、網の中に5.6匹のセミを捕えてくれました。

 

どうやったら、あんなにと取れるん?

 

私は、名人に訪ねました。

 

すると彼は、実践を踏まえて教えてくれました。

 

セミを見つけたら、ソーと網でセミを覆うように、近づけて、セミが飛ぶ方向に網をズラしながら、網の端っこでセミを突くんやと

 

網の端っこで、さりげなくセミを突いているのが分かりました。

 

次の瞬間   セミは名人が言った飛ぶ方向⁉️に

ちゃんと飛んで、網におさまりました。

 

飛ぶ方向に構えろって!!  (天才が人に教えるとき あるある やぁ〜)

 

セミのいる場所や止まり方によって、網の構える位置とセミをつつく所を変えろと言うのです

 

君は出来るよ!  君わ!

 

セミ取りのヒントは得ましたが、どの道にもプロてっいるのだなぁ〜  と思いました。

 

7.8匹捉えた所で、セミ捕り名人は、長女に蓋をした状態にした網を渡してくれました。

 

ありがとう‼️

 

お礼を言うと彼は、もといた、エントランスへ戻って行くのでした。

 

後ろ姿がカッコイイ‼️

 

さあ、セミはゲットしたけど、子供の頃依頼、何十年も、セミに触れていなかった私は覚悟を決めて、セミ達が蠢く(うごめく)虫取り網の中へ手を突っ込むのでした。

 

掌の中で、鳴きながらバタバタと暴れるセミさんに 命 を感じました。

 

なんとか1匹目を掴み、虫かごへ、入れました

 

羽根の根元を抑えれば、バタバタされない事に気付き、昔の感覚が蘇り、残りの6匹は難なく、虫かごへ、入れる事が、出来ました。

じ〜と見つめる、長女に面目を保てました。

 

セミさんは、生きていられる時間が短いから、家に帰って、ママに見せたら、(きっと嫁様は見るのも拒否するだろうけど)放してあげようね  と  良いパパを演じている私でした。

 

家に帰ろうとエントランスの方へ向かうと、セミ捕り名人が、女の子達と談笑していました。

 

良いパパを演じて、気を良くしていた私は、エントランスの中の売店に、御礼がしたいからとセミ捕り名人を招き入れたのでした。

 

彼の好きなジュースでも、ご馳走してあげようと!

 

すると彼は、オレンジジュースを片手に持ちながら、兄弟の分も良いと聞いてました。

 

せいぜい2.3本だろうと思い、  良いよといいました。するとと彼は買い占めるかのように、6本を抜き取りました。

 

さすがに多いし、売店のオレンジジュース買い占めてるし、と思いましたが、兄弟の分と先程彼の背中を押してくれた女の子達の分も良いかと聞くので、思わぬ出費に冷や汗を垂らしながら💦良いよといい、コンシェルジュ兼レジ係のお姉さんに、お代を払うのでした。

 

数が多いので、ビニール袋に入れてくれました。

 

ジュース6本入りの袋を名人に渡し、 私と長女は家に帰りました。

 

家に帰り、嫁様にセミを見せると、予想通りのリアクションでした。捨てて来てとまで言ってきたので、 私の期待を裏切らない奴やなぁ〜と

感心したものです。

 

長女は正直なので、セミを取ってくれたのは、パパじゃなくて、セミ獲り名人やで〜とすぐにチクリました。

 

セミは私が取った てい で嫁様と話していたので、すぐにバレてしまいました。

 

おまけに、ジュース6本の話しも・・・

 

すると、  はぁ?  何処の子や?知り合いの子やったら、連絡しとくわ! と言い出し、長女に名人の顔や身体の特徴を聞くのでした。

 

小学校で見た事があるかも程度で、誰か特定には至りませでした。

 

嫁様に、よその子供にものを与える時は、よく考えてからにしな、アカンで〜と注意されました。

 

今回の場合は、最初からセミを取ってくれた君だけに、お礼がしたいから、好きなジュースを1本選び と言うべきだったと。

 

だてに、ママ友たちと、つるんでる訳じゃあ無かったのです。

 

嫁様達も、よその子にお菓子を上げたり、する時、ルールを守っていると言うのです。

 

ママ友どうしで、貸し借りが出ないようにする。

子供達には平等に物を与える。

あげたりもらったり、したら子供達に、報告させ、親どうしも、お礼をきちんと言う、などです。

 

その話しを聞いた時、嫁様に後光が照らされ、   嫁様が久しぶりに神嫁に見えました。

 

今後、よその子供達に、何かをあげる時は、今日の事を思い出して、良く考えてから行動しよう  と

 

暑さのせい?で 昼ご飯の用意していないと嫁様が言うので、外食にしようと言う事になり、私は一人、立体駐車場へ車をとりに行きました。

 

私の車の駐車場は、最上階で青空駐車です。

 

入居時、下の階の天井付きのスペースも選べたのですが、嫁様の強い拒否で、一番駐車料金が安い屋上階となったのでした。

 

屋上階に着き、愛車に向かって、歩いていると

何処からともなく、オッチャ〜ン  オッチャ〜ン と子供の声。  駐車場はマンションの通路側から、見下ろせるようになっいるので、何処の棟のどの階や?   と見渡しました。

 

すると、12.13階から、セミ捕り名人が手を振っているのでした。

 

今から、オッチャンの家  家行っていい?

 

距離の詰め方が凄い‼️

 

これから、彼にカモられるのかと思いきや 

 

ジュース返す〜   と 叫んだのでした。

 

❓❓❓      何事  と思いましたが、確かに返すと聞こえました。

 

とりあえず、1Fのロータリーの所に子供達(3人娘+嫁が待機しているはず)なので、1Fのロータリーに来るよう伝えました。

 

車でロータリーに着きましたが、子供達はまだ降りて来ていません。

 

そこへ、セミ捕り名人が現れました。

 

なんでも、私と別れた後、女の子達にジュースをあげようとしたら拒否られ、さらに何受けとってるん、自分のだけならまだしも〜 と注意されたそうです。  女の子は凄く大人やなぁ〜 と思いました。

 

しかたがないので、家に持ち帰ると、お母さんにも、こんなにたくさん貰って!  誰のお父さんや〜   返して来なさいと、叱られ  廊下を歩いていた時に私を発見したらしいのです。

 

良かれと思ってした私の浅はかな行動が、セミ取り名人に、かえって嫌な思いをさせてしまったのです。

 

欲張ってしまったのは彼の方ですが、 大人の対応が取れなかった私の責任です。

 

 彼も自分の為ではなく、友達や兄弟が喜ぶと思って のリクエストだったから です。

 

結局 彼はジュースを1本も受け取らず、私に返してきました。

 

自分の分は取りとすすめたのですが、受け取りませんでした。

 

子供たちと合流する前にセミ獲り名人は去っていきました。

外側が濡れた状態になった ビニール袋 を  

 

売店に返品する訳にも行かず、子供たちが、喜んで飲んだのでした。

 

あの日以来、休みの日にエントランスや1Fの広場等を通る時、彼の姿を探すのですが、一度も彼に会いません。

翌年のセミ獲りシーズンもその翌年も・・・

 

思えば彼も中学生 いや今年で高校生になっている年ごろです。

私が子供を連れて歩く時間帯には、他の事をしているのでしょう。

 

いつかマンションで再開できたら、今度は、彼の為だけに、ジュースいや缶コーヒーに

なっているかもしれませんが、あの時のお礼をしたいものです。

 

顔が変わってなければ・・・  

 

今年の夏も次女と三女を連れて、セミ獲りに行った時 ふと思い出したお話しでした。